追悼2012 写真特集

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 古典から新作まで幅広く活躍し、人気を集めた歌舞伎俳優の中村勘三郎(なかむら・かんざぶろう、本名波野哲明=なみの・のりあき)さんが12月5日、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のため東京都文京区の病院で死去した。57歳だった。東京都出身。
 7月下旬に食道がんの手術を受けた後、肺炎を発症。呼吸不全が進行して重症化し、2回転院して治療を続けていた。
 十七代目中村勘三郎の長男。母方の祖父は名優六代目尾上菊五郎。1959年、五代目中村勘九郎を名乗って初舞台を踏み、2005年十八代目勘三郎襲名。時代物、世話物、舞踊の幅広い役柄を手掛け、「一條大蔵譚」の大蔵卿、「髪結新三」の新三、「夏祭浪花鑑」の団七九郎兵衛、「鏡獅子」の弥生・獅子の精などが当たり役だった。
 従来の歌舞伎の枠を超えた活動にも力を注いだ。90年、それまで8月は休演だった歌舞伎座で「納涼歌舞伎」を開始。94年に東京・シアターコクーンで「コクーン歌舞伎」、2000年には江戸の芝居小屋を模した仮設劇場で演じる「平成中村座」を始め、ニューヨークやベルリンでも公演。現代演劇人と組んだ「法界坊」「研辰の討たれ」などは若い世代にも支持された。
 テレビドラマでも活躍し、99年のNHK大河ドラマ「元禄繚乱」では主人公の大石内蔵助役を演じた。女優の波乃久里子さんは姉。長男の中村勘九郎さん、次男の中村七之助さんも歌舞伎俳優として活躍している。
 2012年5月、東京・浅草の「平成中村座」の公演を終えた後、食道がんが見つかり、同公演の「め組の喧嘩」などが最後の舞台となった。同7月に長野県松本市のまつもと大歌舞伎「天日坊」に1日だけ出たのが最後の仕事となった。08年紫綬褒章。
 中村勘三郎襲名公演の成功を祈願して、浅草寺の仲見世通りを「お練り」する歌舞伎俳優の中村勘九郎さん(中央=当時)。右は中村七之助さん、左は勘太郎さん(東京都台東区) 【時事通信社】

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